プロローグ
「どうして俺たちはこんなところにいるんだろうな……」
「ほんと、どうしてでしょうねぇ……」
「ひょっとして俺たち二人だけか？」
「どうでしょうかぁ。……とりあえず、あそこまで行ってみませんか？」
「あそこ……まあ、どう見てもあれだよな」
「ええ、どう見ても……世界樹ですよねぇ。
あたしたちが知っているものとは別物のようですが」
「もし他の奴らもここにいるなら、みんなあれを目指すだろうな」
「そうですねぇ。では情報収集もしながら向かってみますかぁ」
「バルクとアイカがいないのはどういうことなんだろうな」
「……大丈夫よ。二人ともそう簡単に死んだりしないから」
「それもそうだな。では二人のことは一旦置いておこう。
皆、何かめぼしい情報はあったか？」
「特にないな」
「「「「右に同じ」」」」
「……一つ、気になる情報があったわ」
「なんだ？エリン」
「ルナリアの言い伝えでは、世界樹で世界の謎が解明されるらしいわ」
「つまり、元の世界に帰る手だても見つかるかもってこと？」
「あくまで可能性の話だけど」
「なーんだ、じゃあ俺たちがやることは今まで通りってことか？」
「ここでは外のごたごたに巻き込まれなければいいんですが……」
「ジョセフ、楽観的すぎる」
「……よし、皆聞いてくれ。俺たちはこれから、
世界樹の探索とこの世界についての情報収集を平行して行う。いいか？」
「了解よ」
「了解したわ」
「了解！」
「オッケー！」
「ああ」
「うん、わかった」
「了解しました。……ギルド名は『アルファ』のままでいくんですか？」
「……『アルファオメガ』というのはどうだろうか」
「『アルファオメガ』……ゲイル、どういう意味なんだ？」
「『アルファ』は始まりを意味し、『オメガ』は終わりを意味する。
そしてこれを並べた『アルファオメガ』は永遠を意味するんだ」
「この世界に永遠に名を残すってか？いいじゃねーか！」
「へぇ、なんかかっこいい」
「どうですか？シアン」
「いいだろう。俺たちもいつまでも『始まり』のままじゃいられないからな。
……では『アルファ』改め『アルファオメガ』、ミッションスタートだ！」
