ギルド『アルファ』探索日誌

主に世界樹の迷宮シリーズのプレイ記録。

タロットで22のお題(0. 愚者)

0. 愚者(理解しえない存在)

あの方が消え去った今となっては、ただこの身は朽ち逝くばかり。
さすればあの姫からも僕の力は消え、その命も潰えるだろう。
「これが最善だったとでもいうのか?」
ひとりごちるが応えはなく、ただ広間に拡散するのみ。
ふと最後にこの広間を訪れた人々を思い出す。
思えば彼らがここに姿を現して以来、次々に状況が変わっていった。
百年間一歩も、進む事も戻る事もしなかった状況が、だ。
――最善ではなかったかもしれない、ただ、より良くはあったのだろう。
カタン、と鍵を開ける音を見やると、ズズッ、とたった一つの出入り口が開いた。
そこに立つは人間の少女。彼女か、という期待は一瞬で打ち破られる。
「殺しにきてあげましたぁ」
そう言って彼女によく似た白い少女が笑ったので、僕も笑った。
(クリア後・真祖)